鎮痙攣作用とは
鎮痙攣作用とは、内蔵の筋肉(平滑筋)の異常な痙攣や収縮によっておこる痙攣をゆるめる事で抑制します。
鎮痙攣作用は2つに大別されます。
1つは副交感神経を抑制して、神経の興奮の伝達を遮断して痙攣をゆるめます。
副交感神経は興奮すると気管支平滑筋、腸管平滑筋、排尿筋、子宮平滑筋を収縮する働きがあり、それが異常に収縮する事によって発症する痙攣には、向神経性鎮痙攣薬である抗コリン薬や交感神経刺激薬が有効です。
もう1つは平滑筋細胞に直接作用して痙攣を抑える働きです。向筋肉性鎮痙攣薬が代表的です。
胃炎、胆管炎、胆石などの腹痛に有効です。また、血管を広げ、血流をよくする働きがあります。
交感神経を刺激して痙攣を抑制する精油の働き
精油のにおい物質の中でもフェノールメチルエーテル類は自律神経を調整する働き、特に交感神経を優位にする働きがあります。また抗コリン薬と構造式的に似た特徴もあり、鎮痙攣作用だけでなく止汗作用、消化性の潰瘍の治療にも有効です。
フェノールメチルエーテル類の中でも鎮痙攣作用のある精油はスターアニス、タラゴン、バジルです。
◯喘息や生理痛などの痙攣に有効なアロアレシピ
スターアニス 10滴
タラゴン 10滴
バジル 10滴
キャリアオイル 10ml
昼に適量を首筋と背中下部に適量塗布。
筋肉に直接作用して痙攣を抑える精油
エステル類には平滑筋に直接働きかけて痙攣を抑える働きがあります。エステル類の中でもラベンダー・アングスティフォリアとプチグレンの鎮痙攣作用は優秀です。特に血管壁や胃腸に働くので胃炎、胆管・胆のう系の疾患、急性動脈塞栓、末梢循環障害などのケアや予防に使える可能性があります。
◯胃腸の痙攣性の痛みをとるアロマレシピ
ラベンダー・アングスティフォリア 10滴
プチグレン 10滴
ヘリクリサム 5滴
レモンユーカリ 5滴
キャリアオイル 40ml
夕方から夜にかけて、痛む患部と首筋を適量てマッサージ。特にヘッドマッサージで対症療法だけではなく、体質改善効果が期待できる。
相反する鎮痙攣作用と体質
鎮痙攣作用の2つの働きを確認すると、同じ痙攣を抑制する働きなのにそのメカニズムは真逆な事がわかると思います。
副交感神経を抑制する向神経系鎮痙攣作用と血管を拡張する働きのある向筋肉性鎮痙攣作用は前者は興奮系で後者は鎮静系の働きなのです。
痙攣に限らず、同じ症状でも原因は真逆なケースはよくあります。
痙攣があるからといって鎮痙攣作用のある精油を組み合わせたアロマレシピでは結果が出ない事がある理由は、
なぜその症状が発症したのかと理解する必要があるからです。
しかし、アロマセラピストは医者や薬剤師のように医療従事者では無いですし、また診断や治療をする立場でもありません。
嗅覚反応分析の理論とは香りの好みから体質を分析し、アドバイスできるようになる理論。解剖生理学や薬理の知識があれば高いアセスメント力を発揮する事が出来る理論でもありますが、医学的知識がまったくなくても結果を出しやすいアドバイスが出来る理論です。
痙攣のケースですと、痙攣についての知識が症状についての知識がなければ精油のブレンドも難しいです。
しかし、嗅覚反応分析の理論とは好きな香りの方を選ぶだけです。
今回のケースなら、スターアニス系のレシピとラベンダー系のレシピのどちらの香りの方が好きかで判断します。
嗅覚反応分析の講座は医療従事者の方々にも納得いただけるガッチリ理詰めの理論ですが、理解しなくても使いこなせる、実践できる理論な事がこのブログからでもわかるのではないでしょうか?
前置きで色々な作用のメカニズムを書きましたが、そんな事を理解しなくても嗅覚は必要なものを必要と反応します。
それに従った選択をする。すごく単純な理論なんですよ、嗅覚反応分析って😉