鎮静とは
鎮静(Sadation)の語源は「sedare」で、「和らげる」とか「安定させる」という意味があります。
鎮静の目的は不安感を和らげ、快適さを確保することであり、「眠らせる」事ではないのですが、鎮静作用のある精油の多くに誘眠作用があるので、鎮静と誘眠をきれいに使い分ける事は難しいです。
また、医療現場で行われる鎮静・鎮痛管理のように精油の投与をコントロールして目標とする鎮静深度を達成するというような使い方は難しいと思います。
逆に鎮静作用目的で精油を使っても薬のような副作用は無いという報告もあります。
鎮静剤の場合は眠気を誘発するため、自動車の運転などに危険を及ぼす作業などは避けるべきです。また、お薬の鎮静剤は注意力を低下させ、言葉が不明瞭になったり、錯乱、遅い呼吸などを引き起こします。依存傾向が強く、一過性の健忘、覚醒後の眠気、悪夢などがみられる場合も鎮静剤の種類によってはあります。
鎮静のメカニズム
鎮静とは興奮をやわらげて落ち着かせる作用です。脳神経に作用し、不安や恐怖、緊張といった症状を緩和させる作用があります。脳内の覚醒系(興奮性)の神経伝達物質が抑制されることで鎮静作用が起こります。
脳内の覚醒系を抑制する抑制性の神経伝達を担っているのが神経性アミノ酸のGABA(γ-アミノ酪酸)です。
GABAがGABA受容体に結合すると中枢神経系が抑制され鎮静します。
しかし、体外からGABAを摂取しても、GABAは血液脳関門を通過しない物質なので、そのまま神経伝達物質として利用される事はないです。しかし、精油を構成する「におい分子」は脂溶性で容易に血液脳関門を通過し、脳内に取り込まれます。
精油の「におい分子」は中枢神経系、特にGABA受容体に作用する可能性が高いといわれています。
実際に「におい分子」のリナロール、α-ピネン、テルピネン-4-ol、オイゲノール、ゲラニオールがGABA受容体応答を活性化させたという応用分子生命科学系の研究報告があります。
特にテルピネン-4-olは強くGABA受容体応答を活性化させるといいます。代表的な精油はマジョラムです。
抗ヒスタミン薬と鎮静作用
抗ヒスタミン薬は、受容体の部位でヒスタミンと競合的に拮抗し、ヒスタミンの作用を遮断する薬です。
総合感冒薬や各種アレルギー性疾患などに良く使われていますが、覚醒中枢を抑制する形で強い鎮静作用を起こします。
におい成分のテルペン系アルデヒド類のゲラニアール・ネラールも同じような抗ヒスタミン作用があります。
その成分を含む代表的な精油はレモングラスです。
<鎮静アロマスプレー>
マジョラム(テルピネン-4-0l) 10滴
プチグレン(リナロール) 10滴
ラベンダー・アングスティフォリア 10滴
(リナロール)
無水エタノール 20ml
精製水 30ml
普段は冷静なのに、溜め込みすぎて、考え込みすぎて怒りが爆発した時、もしくは自分が許せなくなった時に有効なアロマスプレーです。お昼以降が使い時です。
<腹が立ったら塗るアロマ>
「怒り」という感情は血しょうのヒスタミン値を上昇させるといわれています。抗ヒスタミン作用は腹が立った時の鎮静に有効だと思います。
レモングラス 20滴
リトセア 10滴
レモンユーカリ 10滴
キャリアオイル 10ml
夕方にお腹周辺、背中に数滴塗布。
子供に怒りがちな夕方、怒る前にまずアロマ!
旦那にイライラしがちな時、怒る前にまずアロマ!
高価な買い物をカミングアウトする時、告白する前にまずアロマ!
マッサージや入浴剤、芳香浴などありとあらゆる手でヒスタミンの活性を抑制して、怒れない環境を作りましょう。
体質とアロマ
逆に、腹が立った時のアロマの香りを良い香りに感じるという事は怒りやすいかもしれません
怒ったらおさまらないとか、徹底的に戦うとか、戦う事を恐れない人が多いかも
心も体も緩めて、許して、受け入れてあげてください😊