神経とは
精油には神経強壮作用のある精油がいくつかありますが、神経強壮といってもどの神経に働きかけるのでしょうか?
神経は痛みを感じたり、命令を実行したりするための信号を伝える役割を果たします。
神経細胞と神経細胞との間には隙間があり、隣りの神経細胞に情報を伝達するために神経伝達物質というメッセンジャーを分泌します。
神経系には中枢神経(脳・脊髄)と末梢神経(脳・脊髄以外)があります。
“中枢神経”は、脳・脊髄のことであり、脳は物事を考えたり指令を指す司令塔の役割を果たしています。
そして、その中枢神経からの命令を全身に伝えるのが末梢神経です。
“末梢神経”は、さらに「自律神経」と「体性神経」に分かれます。
自律神経は消化管活動や心機能などに関与していて、本人の意思に関係なく働く調整機関です。
これに対して、手を動かしたり足を曲げたり脳で意識することが出来る、自分の意思によって働く機能に関与するのが体性神経です。
体性神経は運動神経と知覚神経に、自律神経は交感神経と副交感神経と分かれます。
これだけ神経の種類、働きがあるので一概に神経を強壮するといってもどの神経を、どのように強壮するかが「神経強壮作用」だけではわかりません!
神経強壮のイメージからいうと元気で活発になるというイメージではないでしょうか?
しかし、この神経強壮が『副交感神経強壮』でしたら副交感神経は休息の神経なので、リラックスする、やる気がなくなるといった反応になると思います。
これが知覚神経でしたら、色々な物質に敏感に反応してしまうかもしれません。
それこそアレルギー様症状が発症するかもしれません。
運動神経を強壮するのでしたら、こぞってスポーツ選手がアロマテラピーにはまるのではないでしょうか?
神経強壮作用のある「におい分子」を調べていくと、リナロール、テルピネオールなどに神経伝達物質であるβ-エンドルフィンの産生を促進することがわかりました。
神経伝達物質 β-エンドルフィン
βエンドルフィンは、脳下垂体に多く含くまれ、皮膚中にも存在してます。モルヒネ同様の作用を示し、脳内麻薬とも呼ばれています。 ※モルヒネは鎮痛・鎮静薬として痛みの軽減に有効ですが、依存性が強く、便秘、悪心嘔吐、眠気、呼吸抑制などの副作用がみられます。その点、βエンドルフィンは、副作用はなく、身体に良い影響を与えてくれます。
エンドルフィンの作用は「痛みを止めて気持ちを良くする」働きです。
エンドルフィンにはα、β、γの3つがありますが、β-エンドルフィンが最も強力です。人間には快楽物資となるホルモン・神経伝達物質が20種類ありますが、その中でも最強です。
他にも、社会的安心感に関与し、集中力、注意力を増大させます。気分の高揚や幸福感が得られるのにリラックス作用があり、
精神的ストレスの解消に効果があります。
メンタルだけでなく免疫細胞の防御反応を強化し、ガンを退治するNK細胞を活性化してフィジカル面にも良い効果があります。
また直観やひらめきに大いに関与して脳に勝手に仕事をさせてくれます。
精油の神経強壮作用は、たた気分を高揚させるだけでなく、心身の広範囲に影響を与えるといってもいいと思います。
具体的にも、筋肉、神経、血中などの体内組織や器官のβエンドルフィンの量を増やすことで、抗炎症効果、スリミング効果、保湿効果、皮膚の障壁機能の増強効果等の様々な効果について報告がされています。運動の不快感を最小化し、苦痛な気持ちを防御します。むしろ、高い高揚感を促すでしょう。
ストレスによる種々の皮膚症状、特に細胞が活性化や美白作用が報告されています。筋肉の過剰な収縮を抑制して疲労回復することで肩こり、首痛、腰痛等の筋肉疲労等の筋肉疲労の諸症状を改善することも報告されています。
βエンドルフィンは、GABA(ドーパミンが出すぎることを抑制する)を抑制することで、ドーパミン比率を相対的に高めます。
ドーパミンも神経伝達物質の一つで、意欲をかき立てられ、目的に向かって突き進んでいこうとします。
他にも運動調整、ホルモン調整、快の感情、学習などに関わります。逆にドーパミンの分泌が減ると、意欲は減退し、あきらめやすくなったり、なげやりになったりしてしまいます。
β-エンドルフィンが分泌されるとき
βエンドルフィンは、楽しい気分の時、熱中している時、瞑想状態に入っている時などに分泌されやすいです。
他にも、性行為の際やおいしいものを食べたときなどに分泌されることも分かってきています。
40℃以上の熱いお湯に入ると分泌されたという報告もあります。
ただ、βエンドルフィンは苦痛を和らげるために、人体で自然に生じる脳内麻薬なので、苦痛やストレスの段階を経なければ、
効果的に分泌されないといいます。
精油の中には苦痛までいかなくても皮膚を刺激する「におい成分」はいくつもあります。フェノール類や芳香族アルデヒド類などは皮膚刺激がある成分。これらの「におい成分」が刺激となってエンドルフィンの分泌を間接的に促進してもおかしくないと思います。
そういう意味では、精油の神経強壮作用以外にも強壮作用、刺激作用などは報酬系と呼ばれる神経系を活性化する神経伝達物質の分泌を促進する働きで説明できるのではないでしょうか。
直観をひらめかせ、やる気と集中力をUPする美白化粧水
ラヴィンツァラ 5滴
コリアンダー 5滴
パルマローザ 5滴
ペパーミント 5滴
グリセリン 5ml
ローズウォーター 95ml
使うなら午前中から午後18時まで。AHIS会員の方はわかると思いますが、βエンドルフィンが覚醒系の神経伝達物質なので、人間のサーカディアンリズム(体内時計)に合せた使い方をするのが定石。
ラヴィンツァラはテルピネオールを含有し、コリアンダーは神経強壮作用のあるd-リナロールを含みます。また、ペパーミントに含まれるメントールもパルマローザに含まれるゲラニオールもβエンドルフィンの分泌を促進させる「におい分子」です。
体質とアロマ
上記アロマレシピに心躍った人もいると思いますが、このブログの中でもよく言うように、万人に効果があるものは薬の中にも少ないのではないでしょうか。もしくは、それ程効果のあるものは副作用も強くなると思います。
このブログは「嗅覚反応分析」の理論の一部を紹介しています。精油のおもしろいところは、薬理薬効があるだけでなく、その香りに対しての好みからその人を分析できる事です。(特許取得済み:特許名 生体情報生成法)
例えば、、、
今回の神経強壮作用の精油を好む人は、β-エンドルフィンやドーパミンの分泌が少なくなっている事が予想できます。
わかりやすく説明すると、ローズやゼラニウムの香りが好きな人は冷静で落ち着いている反面、意欲は減退し、あきらめやすくなったり、なげやりになったりしやすいのではないでしょうか。または、まわりからテンションが低いとかリアクションが薄い、何を考えているかわかりにくい人と思われやすい人かもしれません。
嗅覚反応分析では伝統医学の哲学・思想で説明する体質ではなく、化学・科学で体質・気質・性格・個性の分析の方法と対処法を勉強します。もし「嗅覚反応分析」に興味を持って頂いた方は、一度下記URLよりご覧ください😊
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